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キックボクシングから学ぶベース演奏への応用方法。part1

キックボクシングで学んだことがベース演奏にどのように役立つのか、改めて考えてみました。

 

私はプロのジャズベーシストとして、東京を中心に20年以上にわたりライブやレコーディング活動をしてきました。

 

趣味で始めたキックボクシングは、コロナ禍での約2年半前から私の生活の一部となりました。トレーニングにはまり、その結果として約20キロの減量に成功しました。

 

 

キックボクシングは本当に楽しくて、たまにアマチュアの試合にも参加してます。

 

 

 

僕の通っているジムの会長さんは、指導が的確で有名な団体のチャンピオンの方が出稽古に来られていたり、将来有望な選手をたくさん指導されています。

 

格闘技ファンとしてもたまりません。笑 

 

キックボクシングのトレーニングで学んだ身体の使い方は、実はウッドベースの演奏にも非常に役立っていることに気づきました。このシリーズでは、キックボクシングの身体の使い方がベース演奏にどのように活かせるのかをご紹介していきます。

 

 

まず、一番重要なのはリラックス(脱力)することです。

 

 

これは音楽やスポーツにおいて基本的な要素と言われていますが、実際には非常に難しいものです。メンタル面や技術、コンディション、経験など、様々な要素が整っていなければ、本当の意味での脱力は実現できません。私自身も演奏する際には、脱力を非常に重要視しています。

 

 

これこそが心技体の基本です。 

 

 

ジムでのトレーニングでは、ミット打ちを必ず行います。

 

トレーナーが持つミットにパンチやキックを打つのですが、力任せに打つと良い音がしません。その原因は、必要以上に力を入れてしまい、自分の動きにブレーキをかけてしまっているためです。逆に、脱力して必要最低限の力で打つことで、ミットに当たった時に本当に気持ちいい音が出ます。

 

 

脱力の難しい点は、完全に力を抜くことではないということです。

 

 

必要なタイミングで瞬間的にエネルギーを込めることが大切です。そうすることでスピードやキレが加わり、いい音がする打撃ができます。また、その打撃に対して受ける衝撃を受け止めるための、身体の強さを鍛える筋トレも必要です。

 

 

私にとって印象的な出来事があります。

 

 

ジムの会長がリラックスして蹴ると、サンドバッグから重低音が響いていたことです。その瞬間、おそらく80Hzよりも低い周波数の音がジムに広がりました。一方、自分が同じように蹴っても、そのような低音は出ず、ペチペチとした音しか出せませんでした。。。

 

 

いい音を出すためには、脱力することの重要性を痛感しました。

 

 

ウッドベースの演奏においても、同じことが言えます。

 

脱力し、必要な瞬間にエネルギーを込めたスピードとキレのある音は、大きな音でも小さな音でも、柔軟性や力強さ、しなやかさを持ち、出音に深みを与えます。

 

Oscar Pettiford、Paul Chanmbers、Larry Gales、Scott LaFaro、Jimmy Garrison,

CHIGITA YUSUKE

ベーシスト 作曲家

大阪府出身。現在は東京を拠点に活動中。

2012年に上京、日本を代表するジャズミュージシャンとジャズフェス、ジャズクラブで共演を重ねる。

 

2013年、神戸ネクストジャズコンペディション 準グランプリ。

2014年ニューオリンズで開催されたフレンチクォータージャズフェスティバル出演。 

2019年、世界的ジャズサックス奏者のPatrick Bartley Jr.と共演する。

ジャズ以外では、テレビアニメ『血界戦線』のサウンドトラックに参加。

2021年12月14日、1stアルバム『FAMILY DIARY』をギターに井上銘、ドラムに柵木雄斗を迎えて発表する。

2023年、ソロベースプロジェクトを始める。